観光と情報システム 改訂版 新刊のご案内
21世紀を迎え、少子高齢化が進行する我が国は経済成長と社会の活性化を維持するため、観光立国を宣言した。国民の海外旅行と国内旅行に加えて、諸外国から多くの訪日旅客を誘致することで内需の拡大をはかり日本の文化を世界に広める観光立国は、過去の貿易戦争による国際緊張を回避し、平和な21世紀を牽引する国家戦略として適切である。特筆すべきは、2010年にアメリカ合衆国と初めて締結したオープンスカイ協定を今日まで33の国と地域に拡大したことと、入国に必要なビザを免除する対象国を68か国に拡大したことが寄与し、年間訪日外国人旅客数が2011年以降急増し、過去7年間のCGR(年平均増加率)が19%を超えて目下3,000万人を突破する状況にある。
2017年4月「観光と情報システム」の初版を発行したが、訪日客の急激な増加で観光公害が出現する事態に至り、観光立国の健全な発展を目的に今般改訂版を出版することとした。
本書はグローバルな社会における日本の観光の現状を正しく理解し、更なる発展に不可欠な交通システム、宿泊システムの整備と、多様化する観光商品の流通を支える情報システムを解説する。
観光とは環境の異なる人との交流や社会での体験で創造される様々な恵みを享受することである。本書により観光のプロフェッショナルを目指す学生、ビジネスマンが実り豊かな社会を造る知識と技術を獲得することを希望する。