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国際観光学科新任教員の紹介~須川まり先生(前編)

国際観光学科では4月から新しい先生をお迎えしました。国際観光学科の魅力ある先生の研究?授業内容や人柄を紹介すべく、須川まり准教授にインタビューをお願いしました。今回はその前編です。今回は須川先生がされている授業や研究、その魅力について伺いました。

 

新任の須川まり准教授?

 

?先生の専門分野は何ですか?
日本映画研究です。私自身が京都出身で大学院まで京都にいたことも影響していますが、これまで京都を舞台にした映画を中心に、観光都市および映画都市である京都の歴史および表象を探ってきました。?

鴨川(京都):映画にも頻繁に登場する京都のランドマーク

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?授業ではどのようなことを教えていますか?
観光社会学では、観光を通して社会をどのように読むのかについて講義しています。部分的にですが、専門分野である映画研究をいかして、小津安二郎監督の『東京物語』(1953年)における観光の描写から、当時の社会、家族の形について、学生さんたちに考察してもらいました。

??映画は観光とどのように関わっているのですか?研究では何を探求されていますか?
映画と観光といえば、ロケ地巡りやアニメの聖地巡礼を思い浮かべる方が多いかもしれません。これまで観光研究では、作品の舞台となった地域に観光客が訪れて地域活性化をもたらすという経済的な観点から映画と観光の関係が注目されてきました。しかし観光社会学ではメディアに描かれた場所を確認しに訪れるという観光客の行動を認めながらも、どのようにメディアが観光地を描いてきたのか、あまりテクスト分析(作品分析)の観点から論じられる機会がありませんでした。その点を映画学的観点から補おうと試みています。

??今どんな研究をしていますか?
今は京都には限定せずに、ひきつづき、映画学と観光学の融合と、テクスト分析による地域表象研究を進めています。関東に来たので、今後は関東を舞台にした作品を論じる機会が増えてくると思います。

??先生の研究は私たちの生活とどんなつながりがありますか?どのように役立ちますか?
現在、SNSの普及により、小規模団体や個人のレベルで情報を発信できる時代になりました。地域振興の一環で、地域をアピールするための動画もたくさんYouTubeなどで公開されています。もちろん広報活動として、このような地方自治体によるPR動画も必要ですが、ロケ地巡りで訪れる観光客の多くは、地域を舞台にした映像作品のファンであり、作品自体への魅力が大事だと思います。動画をつくるという手段にとらわれて、作品自体が娯楽あるいは芸術作品として楽しめるものか、そういった議論がおざなりになっているように感じます。この課題に対して、これまで映像表現に関する知見を蓄積してきた映画研究はいかされると思いますし、学生さんにもPR動画が制作されたという事実だけではなく、どのように表現されているのかにも注目してもらいたいです。

?〈インタビュー後編は後日掲載します〉


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