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「法学部ってどんなところ」vol.13

憲法を学ぶ意味

皆さんこんにちは。9月に入り、大学はまだ夏休みではありますが、次第に秋の気配を感じるようになってきましたね。さて、今回の「法学部ってどんなところ」では、「憲法」の講義をご担当されている水林先生がインタビューに答えてくれました。以前、同じ憲法をご担当されている前田先生には、「憲法と私たちの日常生活の関係」について教えていただきました。今回、水林先生には、あらためて憲法がどのような法律なのか、また法学部で憲法を学ぶことの意義についてお話を伺いました。


<教員紹介>
水林 翔:法学部ビジネス法学科准教授
一橋大学大学院法学研究科博士課程を経て本学へ着任、法学博士
専門:憲法学、フランス憲法

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―――水林先生、今日はよろしくお願いします。最初にお聞きしたいのですが、憲法っていうのはどんな法律なのですか?
水林:こちらこそよろしくお願いします。憲法というは様々な法律のなかでも「最高法規」と呼ばれるものです。様々な法律の土台となるものということもできますね。あらゆる法律はこの憲法の理念に則って作られることになっています。

?―――憲法にはどのようなことが書かれているんですか?
水林:国によって憲法の内容は変わってくるのですが、多くの国の憲法には、おおむね二つの内容が書かれてます。一つはいろいろな種類の「人権」に関すること、もう一つは国会や裁判所といった「統治機構」つまり国家権力の構造に関係することがらが規定されています。

?―――人権と統治機構という二つのことが憲法に書かれていることには、何か理由があるのでしょうか?
水林:そうですね、憲法によって国家の「統治機構」が作り出されるわけですが、この統治機構は人々の「人権」を保障することを目的とするものだからだといった説明ができるかもしれませんね。?

―――人権を保障するために統治機構が作られる…?
水林:そういうことです。まず、憲法は私たち一人一人に「人権」を保障することを最終的な目的としている法律です。そして人権を保障するためには、公権力(国や自治体の持つ権力ぐらいに理解してください)の暴走を防ぎ、個人の人権を侵害しないようにすることがとても重要です。そのため、憲法は国会や内閣、裁判所がなすべき仕事を割り振るとともに、お互いの仕事をチェック出来るような仕組みを定めているのです。

―――わかりやすく説明していただきありがとうございます。ところで、法律に直接関わるような仕事に就かない場合にも憲法を学ぶメリットというのはあるのでしょうか?
水林:もちろんあります。例えば憲法27条は労働者の保護を規定している条文ですが、この条文が求めている詳細な内容は労働基準法等で具体化されています。そうした知識があれば、もし就職先やアルバイト先で不当な扱いを受けたとしても、自分の身をきちんと守ることができるようになるでしょう

―――ということは、憲法は私たちの生活に具体的に役立つ法律なんですね。
水林:はい、憲法を学ぶことは実生活で具体的に役立ちます。ですが、もう一つ大事なことがあります。それは憲法を学ぶことで民主主義社会を担う主権者として知っておくべき大切な事柄も学ぶことができるということです。どのような職業に就こうとも皆さんは主権者の一人ですので、憲法を学ぶことで社会の様々な問題について考える素養を身に着けてくれることを期待しています。

?―――民主主義を担う主権者になるってなんだか難しそうですね。
水林:それほど難しく考える必要はありません。これから大学で勉強したり社会に出て働いたり、場合によっては結婚や子育てをする人もいると思いますが、そのなかで世の中の仕組みについて「なんだかおかしいぞ?」と思うことが増えてくると思います。その時に、憲法に書いてある人権等の理念を理解しておくと、どのような社会に、どのような方法で変えていくべきかを考える手掛かりになります。つまり憲法は、社会の一員として生きる上でとても大事な法律なのです。

―――憲法が我々の日常生活にこんなに関係しているなんて初めて知りました。水林先生、どうもありがとうございました。


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