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在学生が聞きました ー社会学科 佐藤純子先生 インタビュー(前編)

社会学科では4月から新たに佐藤 純子 教授をお迎えしました。そこで佐藤先生のゼミの学生に協力をお願いし、佐藤先生のご研究の魅力やプライベートでのご趣味など、色々なことをお聞きしました。今回はその前篇です。


左から社会学部社会学科3年水野 未来翔(???? ???)さん、佐藤 純子教授、同学科3年清松 孝志(???? ???)さん

■家族が一緒に成長する子育て―「プレイセンター」の研究

——— ご専門とされている分野は、どのようなものでしょうか。
佐藤先生: 保育学?家族社会学?社会福祉学です。

——— 最近はどのようなことを研究されていますか。
佐藤先生:大学院時代からプレイセンターの研究をしています。プレイセンターは、ニュージーランド生まれの幼児教育施設?子育て支援の一つであり、「Families Growing Together (家族が一緒に成長する)」という理念のもと、子どもだけの学びの場ではなく、子どもの親も学習コースを受講し、参加家族が協働しながら運営をする場となっています。

私は、親子が同時に成長したり、学びあう拠点は、日本にも必要な場所になると感じ、研究はもちろんのこと普及活動も行っています。最近では、プレイセンターに加えて、保育評価の一つの手法となる「ラーニングストーリー」の実証研究を行い、認定こども園の先生方とともに継続して調査しています。


ニュージーランドのプレイセンターの様子

——— これまでのご経験をもとに専門分野やご研究内容の魅力を教えてください。
佐藤先生:プレイセンターの研究については、ニュージーランドの教員養成校にも通いながら、現地で実際に暮らしフィールドワークを行ってきため、特に思い入れがあります。プレイセンターに関しては、ライフワークとして一生涯関わっていくつもりです。

日本では、NPO法人を立ち上げて、実践もしていますが、なかなか普及していかないのが目下の悩みです(「こども家庭庁」の創設に向けた基本方針にも的確にあてはまる活動方針なのですが)。

   
日本での活動の様子

プレイセンターの大きな特徴は、子どもの自主自由遊び、親も子どもを育てながら、家族が一緒に緩やかに成長ししていけるところです。あとは、子育ての当事者同士が助け合いながら運営していくことは、地域コミュニティを作っていくことでもあるので、私はそこがプレイセンターの魅力だと強く思っています。

■保育や子育てを学ぶことの魅力とは

——— ありがとうございます。では保育や子育てについて学ぶことの魅力を教えてください。
佐藤先生:やはり、乳幼児期は、根っこ作りとなる重要な時期です。水、肥料がどれくらいその子どもにとって必要なのかを適宜考えながら、ケアしていくことが大切になります。就学前の子どもの場合、成果がすぐに出てくるわけではありません。しかし、見えないからこそ、この先どんな芽がでてくるのかなと個々への関わりを考えながら、その子の10年後、20年後、30年後を見据えて、それぞれに求められる豊かな実体験を一緒に積んで行くことができると思うのです。つまりは、丁寧な言葉かけや信頼できる人との関係性、保育活動や子育て支援を行ってくことが、子どもの将来に確実に活かされていく、壮大なプロジェクトに携わっているような心持ちです。

ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ?ヘックマン教授も乳幼児期の保育や幼児教育の実践(投資)が、その後の人生に大きく影響するという実証研究をしています。やはり人間の基礎づくりとなる乳幼児期の子どもに対して、手厚いサポートを行っていくことは、日本においても豊かな国づくりの一端になるというか、希望ある社会作りに繋がっていくと感じており、その点ですごく魅力のある分野だと感じております。

■バックパッカーだった学生時代

——— 先生のご趣味は何ですか。
佐藤先生:趣味は、旅行です。学生時代は、バックパッカーだったので、放浪旅行が好きです。学生のときに、ヨーロッパを3か月、周遊(貧乏旅行)した経験は、今でもいろいろな場面で役立っている気がしています。

あとは、全てのことにおいて「ライブ」で見ることにこだわりがあります(笑)。ミュージカルとかスポーツとか、音楽を聞きに行ったりとか、「生を観賞する」「生を体感する」ことが、その時のその場の雰囲気も含めて大好きです。

——— 大学生に戻れるとしたら何をしてみたいですか。
佐藤先生:大学生に戻れるとしたら、やっぱり今の研究がすごく好きなので、その当時にもっと深い学びができればよかったかなと思います。

また当時はできなかったんですけど、余裕があれば海外の大学とかに行って勉強したかったです。大学院時代には、子育て支援の研究で、1年間ニュージーランドに行きましたけれども、大学生のときに、外の世界に一歩踏み出して、他国の同年代の学生たちと議論したり、学び合うような機会があったら良かったなと思います。


インタビューの様子

続きは後編にてお楽しみください。



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