法学部の実学「法律実務研究――2023年度法廷傍聴」
2023年11月~12月、千葉地方裁判所松戸支部で法廷傍聴を実施しました。
法律実務研究という授業の一環で、裁判所に行って刑事事件の公判を見学します。今年度は、目撃証言に虚偽と思われる発言があり、「無罪になるのか?」というレアな事件がありました(日本の刑事裁判の99.9%は有罪になる)。また、法廷内のスクリーンに監視カメラの映像が映されるなどハイテクノロジー化されていました。
以下、傍聴した学生の感想文を紹介します。
??出入国管理法関係
「今回の事件で感じたことは、外国人技能実習生がいかに日本で生きづらいかである。本人もそれを承知しつつも就労しなければならないほど切迫した人生背景があるのだと痛感した。不当な扱いをなくし、日本の技能実習制度を見直さなければならないのでないかと感じた。」?
「裁判の中で「人間関係」が関係しているのだなと思った。Gさんが「日本語をうまく話せないのを同僚や同じ実習生が罵った」と言うところはとてもひどいなと思いましたし、これが続くとせっかく技能実習生として来ていても居ずらい環境だと逃げてしまうのは仕方ないのではと思いました」?
?窃盗①(目撃者である万引きGメンの証言に誤りが含まれていた)
「被告人側が絶対負けると思っていたが、証言が曖昧なところから、無罪になるのではないかと思い始めた。スクリーンで、写真や動画を見たり、途中で休廷になるなど一回の裁判で多くの経験ができた。ドラマでよく見る検察と弁護人が声を大きくし、『異議あり』という言葉が出てリアルで、迫力があった。」?
?窃盗事件②(被告人はADHDと診断されていた人物)
「私も初期のADHDと診断されており、この被告人の性格と少し似ているところがあった。犯罪は自分とは無縁と感じていたが、少しの気の緩みでこうなってしまうと思うと怖かった。また、両親がすごく泣いていたと聞き、絶対に犯罪で両親を悲しませたくないと強く思った。」?
「初めて裁判傍聴に行ったがドラマのように「異議あり」などはなかった。弁護人や検察官が、淡々と質問などをし、被告人が答えるような流れだった。被告人は累犯者と呼ばれるような人だった。本当はいけないとわかっていながら罪を繰りかえしてしまうことがなぜ起きてしまうのだろうと疑問に感じた。労働環境や人間関係にもなにかあったのではないかと考えた。」