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RKU Leader’s View vol.2 「KGCヘようこそ—教育学習支援センターの取り組み—」 前田 聡

KGCヘようこそ——教育学習支援センターの取り組み——

ある調査によると、少なからぬ割合の大学1年生が、高校までの生活と大学での生活との間にギャップを感じて、戸惑いを覚えるようです。この「戸惑い」は、確かに理解できるものがあります。高校までは、決められたカリキュラムに、規則正しく一定の時間割という枠組みに従って学習を進めていけばよかったはず。それが、大学に入学した途端にいきなり、「学ぶ内容は各人が選ぶ。したがって時間割も各人で異なる。高校までと異なりクラスでまとまって行動することもない。」などと言われれば、戸惑いを覚えないほうが珍しいかもしれません。

流通経済大学は、全員ゼミ制を柱とする少人数教育の理念を掲げながら、こうした戸惑いをできる限り小さくし、大学での学びをうまくスタートさせ、成功に繋げるための工夫を積み重ねてきました。その工夫の最前線に立つのが、私たち教育学習支援センター(学内では「KGC」と略することも多いです。)です。本学に入学する多くの学生は、入試が終わると、まずはKGCと接触して本学に馴染んでいく——といってもおかしくないくらい、KGCは、本学の学生たちの「学び始め」にコミットします。すなわち——

? 合格者に対する入学前学習:eラーニングシステムを活用した高校までの基礎学力の復習プログラムと、リアルタイムオンラインによる大学の学びへの導入講座
? 新入生オリエンテーションプログラム:入学式直後から始まる、4年間の学びを見すえながら大学での学びのプランを立てるとともに、新入生が同級生、上級生、そして教職員らと出会い、学びへの意欲を高めるためのプログラム
? 修学基礎講座:学びの基礎に不安がある学生たちに対して、基礎学力の確実な補強を図るためのプログラム

——などを提供し、大学の学びへの橋渡しを図ります。

KGCが関わるのはこうした「学び始め」の段階だけではありません。KGCでは、大学で初めて取り組むレポートの書き方の指導を行う機会を設けたり、それぞれの進路に応じた学び方についてのカウンセリングを行ったり、さらには、本学の魅力的な先生方の研究をカジュアルに紹介する企画を実施したりと、大学における学びをより豊かにするための取り組みを実践しています。KGCでは、専任教員である専任所員の先生と、事務局スタッフが協力して、大学の学びに迷った学生にアドバイスをし、「より学びたい」と望む学生のサポートを実施しています。

少し考えてみれば、そもそもわからないことを学ぼうとするのが大学での学びのはず(わかることを学ぶ必要というのは、あまり多くはないでしょう)。「わからない」ことを「わかる」ことに変え、そして「わかる」ことをそれぞれの人生に役立てるための「知恵」にするためには、さまざまな工夫が必要です。ちなみに、そうした工夫もまた、さまざまな学問的成果に基づいているものです。その工夫は、一人でできるものもあれば、仲間と共に実現できるものもあるでしょうし、学びに熟達した人からのアドバイスによるものもあるはずです。

本学の少人数教育は、一人ひとりの学生と向き合いながら熟達した教員たちが指導することから始まりましたが、KGCは、熟達した教員たちの教室における指導とは別の角度から、いわば学生たちの伴走者のように、学生たちの学びをより豊かにし、学生たちの可能性を拡げるサポートを続けていきます。

[執筆]前田 聡 流通経済大学副学長(教学?ダイバーシティ担当)/教育学習支援センター長/法学部教授
筑波大学大学院博士課程を経て、2008年本学法学部専任講師。2020年より同教授(現職)、2021年より教育学習支援センター長(現職)、2024年より副学長(現職)。専攻は憲法。

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