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法学部で広がる未来の自分の可能性 第25回           地域の未来をつくる学び!?実践で挑む「地域政策論」?

みなさんこんにちは!今回は、地域の課題とその解決策について学ぶ「地域政策論」の授業について、自治行政学科の唐﨑先生にお話をお聞きしました。まちづくりや防災、環境保全に少子高齢化対策といった様々な課題に対応するためには何が必要なのか、また、これからの地域を担っていく学生に何が求められるのかなどについてお話をうかがいましたので、地域を支える仕事に興味がある人は必見です!


――唐﨑先生、本日はよろしくお願いいたします。では、早速ですが、先生の担当されている「地域政策論」の授業について教えてもらえますか。
唐﨑:はい、「地域政策論」では、地域に関わる身近な諸問題、例えば少子高齢化に起因する交通や商業サービスの衰退、空き家問題、買い物弱者、防災、災害復旧?復興、環境保全、福祉といった、生活や環境に関わる様々な地域課題を取り上げています。

――地域に関わる問題というのは思ったよりも多くのものがあるんですね。先生の授業では、それらの問題について、どういったことを学ぶことができるのでしょうか?
唐﨑:私の授業では、今あげたような地域の課題について、その社会的背景をひも解きつつ、どのように自治体が課題解決に向けて取り組んでいるのか、またその基礎となる自治政策に関わる法律や制度、事業などについて学ぶことになります。

――取り上げる課題が多いため、その背景や解決策にも様々なものがありそうですね。
唐﨑:ですので、授業の中では、まちづくり、生活?福祉、地域振興、SDGsという4つの視点から問題にアプローチするようにしています。全国の様々な取り組み事例を参考にしながら、自治政策や地域振興に関わる実践的な手法について習得することが目標です。

――地域の問題の解決ということは、市町村や都道府県などの自治体の活動を中心に学ぶことになるのでしょうか?
唐﨑:たしかに、全国に山積する地域課題への対応は、自治体の役割が大きいことは言うまでもありません。しかし、自治体だけによる取り組みには限界があるため、地域の企業やNPO、住民組織といった民間と自治体との連携が、現代では強く求められています。ですので、私の授業ではそれらも視野に入れて説明をするようにしています。

――なるほど、民間と自治体との連携が重要なのですね。
唐﨑:そういうことです。また、近年の自治行政では、「エンパワメント」と呼ばれる、民間による主体的かつ内発的な力を引き出すという考え方が注目されています。例えば、地域の人材や組織が主体となり、地域が抱える課題をビジネスの手法で解決する「コミュニティ?ビジネス」は、そのような考え方にマッチした手法です。この授業でもトピックのひとつとして取り上げています。

――ビジネスの手法で地域の課題を解決するというのは、とても面白そうですね。ところで先生の授業では、教え方などで何か工夫しているところはあったりするのでしょうか?
唐﨑:あるテーマについて学生同士で話し合う「ワークショップ」を、授業の中に取り入れています。ワークショップは、少人数のグループで自由にアイデアを出し合う場を意味します。アメリカの大学ではよく行われている授業方法です。この授業では、話すことが苦手な学生でも、気持ちを楽にして参加できるような場づくりに努めたいと思っています。

――ワークショップというとあまり耳馴染みはありませんが、面白そうな取り組みですね。
唐﨑:実はワークショプは、まちづくりやむらづくりの現場でも活用されている手法でもあります。自治体職員がワークショップを企画して、地域住民に参加してもらい、様々な計画策定や課題解決に向けた話し合いを進めるという形です。その手法を授業で体験してもらいながら、コミュニケーション能力を養うという、一石二鳥の効果を目指しています。

――実際の自治体の現場でも取り入れられている手法に触れられるというのは、とても興味深いですね。このほかにも先生が授業の際に大切にしていることがあれば教えてください。
唐﨑:私はこれまで30数年にわたり、農業や農山漁村の振興について研究を続けてきましたが、研究以外にも、住民参加型のまちづくりなどの実践活動にも自治体と連携しながら携わってきました。それらの活動の中で出会った行政職員や地域住民、民間企業の方々の思いや苦労、また実践に関わるノウハウを少しでも伝えられればと思って授業をしています。

――ありがとうございます。ちなみに、先生の授業には公務員を志望する学生も参加していると思いますが、これから公務員を目指す方に伝えたいことなどはありますか?
唐﨑:かつて、公務員の仕事ぶりが、形式的、非効率、縦割り的として「お役所仕事」と揶揄されるような時代もありました。しかし、それは過去の時代のことです。現代の公務員には、課題解決能力、創造性、リーダーシップ、コミュニケーション能力が問われるようになりました。もちろん民間企業で活躍する方々も同様です。本学からそうした実践的なスキルをもった意欲ある学生が育っていくことを願っています。

――最後になりますが、唐﨑先生からこの記事の読者にメッセージがあればお願いいたします。
唐﨑:流経大の法学部には、地方自治体職員や警察官?消防官、まちづくりやむらづくりに関わるコンサルタント、ディベロッパー、福祉関係など、将来に地域で活躍する職種を目指す学生が集まっています。本学は、教育理念に「実学主義」を掲げていますが、実学主義とは、空理空論ではなく、実社会で活躍するための実践的な学びを目指すものです。地域あるいはグローバルに活躍できる人材が、本学の法学部から育っていくことを期待しています。

――唐﨑先生、本日は貴重なお話をありがとうございました。


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