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【地域人間科学科】五感で学ぶ障害児保育―松戸市こども発達センターを見学―

地域人間科学科の下司准教授が担当する「障害児保育」では、保育士などを目指す学生が授業の一環として松戸市こども発達センターを見学しました。

松戸市こども発達センターは、松戸市健康福祉会館ふれあい22のなかにあり、心身の発達に不安や心配のあるお子さんとその家族を総合的に支援する専門機関です。
医師や相談員を中心とした「相談?診療部門」と、日々の保育を通した発達支援を行う「保育部門」があり、今回は両方の部門について職員の方からお話を聞くとともに、保育時間後の保育部門の施設を見学させていただきました。

      

また最後に、学生が事前に用意した質問に加え、当日の見学の中で感じた疑問点について各部門長と現職保育士の方にお答えいただく、質疑応答の機会もいただきました。


学生たちは、授業でさまざまな障がいの特性や障がい児の保育における支援方法などを学んできました。
実際に保育現場を目にし、また現職の保育者からお話を聞けたことは、新たな学びの連続でした。
とくに、水泳療育のための専用プールがあること、あらゆる発達段階や身体状況に合わせて利用できるトイレが設置されていること、保護者が見学できるよう療育を行う部屋にはワンウェイミラーが設置されていること、運動会の実施形態や競技の選び方など、一般の保育所とは異なる点が印象に残りました。
一方で、福祉型の保育室は一般の保育所の保育室とあまり変わらないこと、また支援者が一人ひとりの子どもと保護者に寄り添った支援を心がけなければならないことは、障がいの有無に関わらず、対人支援を行ううえで共通した要素であることを感じとりました。

以下、参加学生の感想(一部)です。

■見学では、発達に困難を抱える子どもたちが安心して過ごせる環境作りへの配慮が様々な場所で感じられた。例えば、建物の内装には落ち着いた色合いが使われており、廊下の照明は明るすぎず、子どもたちが興奮しにくい工夫がされていた。
■専用のプール設備について説明いただくなかで、「市営のプールには障害を持った子達は行きづらい」という話を聞いて、確かにそのような子達を見ることは少なかったなと、その時に気づいた。視点を広く持ち、同じ立場に立って考えることの大切さを学んだ。
一般の保育園とは施設内の作りだけでも大きな違いがあるということ、子どもだけではなく保護者の方たちにも様々な配慮がなされていることを学んだ。私が保育者の立場に立った時にも様々な不安に寄り添えるような保育者になりたいと感じた。
保育室は、民間の保育園と比べてあまり変わらない印象を受けた。しかし、上肢、下肢、または体幹機能に障害があるこどもたちの「医療型」保育室は倍以上の広さがあり、座位を保持する椅子や装置が置いてあった。この保育室を見られたことで、改めて障害児保育の専門性を感じた。
質疑応答で特に印象に残ったのは、保育士の方が「保護者の理想と子どもができるようになることのギャップが大きいときが、とくに難しさを感じる」と話していただいたときだ。こういった悩みは実際に話を聞かないと知れなかったので、すごく参考になった。
保育者は、保護者からの意見や要望に対して応えられるものには最大限応えたり、できないことに関してはその旨を伝えたりすることや、専門的な知識を伝えるときはあやふやな言い方をせず、しっかりと伝えないと不安にさせるだけであるから、知識を落とし込んで自分の言葉で伝えられるようにしているということを学び、自分も心がけたいと思った。

このように地域人間科学科では、授業の中や外で、五感を通した学びを用意しています。


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