身近な買い物から持続可能な社会経済について考えよう(経済学科 加藤ゼミ)
いま皆さんが手に持っているスマホ、身に着けている服、飲んでいるコーヒー…現代社会に生きる私たちは、身の回りのモノをほぼすべて「買って」手に入れています。手作りのおやつや服であっても、材料や道具は他の誰かが作ったものをお金と引き換えにして手に入れたはずです。
それではその商品を、いつ?どこで?誰が?どのように作っているのか想像してみましょう。たとえば服であれば、日本で出回っている服のうち国産は数%しかないので、ほとんどが外国(主にアジア)で作られています。その服を縫った人はどんな人で、どんな工場で、何時間働いて、どんな生活をしているのでしょうか?栄養のあるご飯を食べられて、安全で清潔な家に住むことができる給料をもらっているのでしょうか?
素材は何でしょうか。綿であれば、原材料の綿花はどこのどんな畑で誰によって栽培されているのでしょうか?綿花を害虫や雑草などから守るために農薬をまくことがありますが、この農薬が土や水を汚染したり、農家さんの健康を脅かしたりすることが指摘されています。
服を買う私たちは値段やデザインのことは気にしても、縫製工場の賃金や農薬による土の汚染までは考えません。それでも、私たちがモノに囲まれた豊かな生活を送っている裏側で、知らない間に人や環境に悪影響を与えているかもしれない、という想像力を持つことが必要だと思います。加藤ゼミではそのような背景について学び、より環境や人権に配慮した商品を探し、ゼミで一人ずつプレゼンテーションを行いました。いつものコンビニやスーパーでの買い物に、「この商品は人や環境にどんな影響を与えるのかな?」という目線をプラスするきっかけになったのではないでしょうか。「持続可能な社会経済」というと漠然としたもののように思えますが、実は私たちの身近な「買い物」と密接に関わっているのです。