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法学部で広がる未来の自分の可能性 第28回            フィールドワークで行政を学ぶ——坂野ゼミのリアルな学び

地域の未来を担う自治体職員や、地域貢献を志す民間企業の人材を育てる——そんな学びの場を提供するのが法学部の坂野ゼミです。坂野ゼミの学生たちは、フィールドワークを通じて地方行政のリアルな課題と向き合い、実践的な提言を行ってきました。今回は、公務員志望者が多く集まるこのゼミの特色や、学生たちの成長を支える学びの魅力を、ゼミを担当される坂野先生の言葉を通じてお届けします。地方行政やまちづくりに興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。


——本日はよろしくお願いいたします。それではまず、先生のご専門とゼミのテーマについて教えてください。
坂野:私は行政学?地方自治論という学問を専門としています。行政学は「行政に関する学問」ですが、法律学、経営学、政治学、社会学、政策学なども含めて幅広く、行政に関わる問題を扱います。私の研究が主に自治体行政に関するものなので、私のゼミでも地方行政に関わることを広く学んでいます。

——地方行政に関わることを学ぶというのは、具体的にはどのようなことをするのでしょうか?
坂野:実際のゼミ活動としてはフィールドワークを行っています。本年度は、龍ケ崎キャンパスのゼミでは茨城県利根町の、新松戸キャンパスのゼミでは埼玉県吉川市の担当課の皆さまのお世話になりながら研究を進めてきました。

——新松戸のゼミと龍ケ崎のゼミではそれぞれどのような研究をされているのか、もう少し詳しく教えてください。
坂野:龍ケ崎ゼミでは、利根町の政策企画課の皆さまのご指導の下、実際に利根町の町内を探索した上で、利根町が今後どのようなまちづくりをしていくべきなのか検討しました。研究の成果である利根町のまちづくりについての提言は、利根町長、教育長、町幹部の皆さまの前で発表し、町長からも温かいお言葉をいただきました。

——それでは、新松戸のゼミではどのような研究をされているのでしょうか?
坂野:新松戸ゼミでは、本年度、「住民自治の仕組みづくり」というテーマの下、どのようにして地域コミュニティを活性化すべきかについて、吉川市市民参加推進課の皆さまと共同研究を行いました。

——具体的にはどのようなことを行ったのでしょうか?
坂野:吉川市では、町内会?自治会を中心に「地域課題を地域で解決するための勉強会」などを行ってきたという経緯があります。ゼミ生たちはその勉強会に参加させていただき、地域の方々とも交流しながら学びました。2月には、市長をはじめとした皆さまの前で成果発表を行い、学生時代の良い思い出になったのではないでしょうか。

——公務員の方々や地域の方々と連携して学ぶことができるというのは大変魅力的ですね。
坂野:学生時代に、実際に働いている公務員の方々のお世話になったり、地域の方々と触れ合ったりした経験は、将来公務員になったとしても、企業に勤めたとしても、同様に生きてくるものだと思います。関係者の皆さまには、お忙しい中にもかかわらず大変お世話になりました。ゼミ担当教員として心からお礼申し上げます。

——やはり先生のゼミには公務員志望の学生が多いのでしょうか?
坂野:はい、私のゼミ生たちの多くは地方公務員を目指して勉強しており、毎年、自治体職員や警察、消防といった地方公務員の進路を選ぶ学生がいます。本年度の卒業生の中には、利根町、吉川市、足立区などの近隣の自治体職員や消防職員、警視庁などに進む学生がいたほか、役所に合格したものの、最終的には民間企業を選択した学生もいました。

——民間企業に就職される方もいらっしゃるのですね。
坂野:現在、行政の世界では「ガバナンス」という考え方が提唱されています。皆で協働して統治するということなのですが、具体的には、市民、企業、自治体等、町内会?自治会、NPOや各種団体、さらに学校まで、皆で一緒に協働して地域を良くしていこう、治めていこうという考え方です。その意味では、民間企業も、地域を維持していくために、地域に貢献するガバナンスの主体です。ですから、民間企業に進む学生諸君にとっても、私のゼミでの学習は役に立つと思っています。

——それでは最後になりますが、法学部の学生やこの記事の読者へ向けて、メッセージがあればお願いします。
坂野:学生時代の思い出は人生の中で貴重なものです。縁があって私と一緒に学ぶことになった学生たちには、将来家庭を持ったときに誇れるような学生生活を送ってほしいと願っています。卒業生たちの記憶の中の数ページにゼミの思い出が残っていれば、それが私の宝物です。これからの社会を担う学生諸君には、ときには厳しい経験をしながら、目標を達成したときの喜びを知ることで、充実した学生生活を送っていただきたいと思います。ゼミ活動を通じて実り多い学生生活のお手伝いができるように、私自身も努めてまいりたいと思っています。

——坂野先生、本日はどうもありがとうございました。


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