【地域人間科学科】 権利カードを用いて考えてみよう!「子どもの能動的権利と受動的権利」
保育やソーシャルワークに関心をもつ学生たちが履修している「社会的養護」の授業の一コマを紹介します。
「社会的養護」とは、「保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うこと」です。 つまり、社会的養護とは、こどもの最善の利益のために社会全体でこどもを育んでいくことを意味します。授業では、ユニセフ協会制作「子どもの権利カード」を用いたグループワークを行い、「こどもの最善の利益」や「子どもの権利」について考えました。
グループワークでは、子どもの権利条約40条までの40枚のカードを似たような権利同士で集める作業をしました。その後、集めた束ごとに共通するキーワードを出しました。お互い意見を出し合い、なぜそのグループに入れるのか、その理由についても伝えあいました。学生からは、「権利の解釈が重なって、分けるのが難しいね」といった発言もみられました。
一つ目のグループは、40枚を6つのグループ「①自由に関すること、②親子関係、③国がすべきこと、④ザ?権利、⑤保護、⑥子どもが受けるべきこと」に分けました。
二つ目のグループは、5つのグループ「①生命を守る、②子ども主体、③親の責任、④情報提供、⑤国の責任」に分けました。
グループワークを終えた学生からは…。
「子どもの権利についてカードを使って仕分けをするのは初めての経験。子どもにはたくさんの権利があって、それぞれの権利が尊重されるべきだと振り返ることができました」
「自分が思っていたよりもいろいろな子どもの権利があることがわかりました。小学校などでは、当たり前のように遊んできたことも権利の一つだと知ることができました」
「子どもは親に従うものというイメージが私のなかで強かったことに気がつきました。「親>子ども」のパワーバランスではなく、「親=子ども」のバランスを維持することが大事だとわかりました」
次は、子どもの権利を擁護するために必要な政策、社会的養護に携わる専門職や機関、アドボカシーのあり方などを学んでいきます。