「現代中国女性のいま」を知る一冊を出版!
このたび共創社会学部?地域人間科学科の陳予茜助教の著書『現代中国女性のライフコース―一人っ子世代の親子関係と家族意識を読み解く』(青弓社、2025 年)が出版されました。
本書は、中国で1979年から2015年まで実施された「一人っ子政策」のもとで生まれ育った女性たちのライフコ―スに焦点を当てています。一人娘たちは親から大きな期待を受けているため、就職、恋愛?結婚、出産育児といったライフコースの主要な場面で様々なプレッシャーに直面しています。そこで本書ではライフコースを築く過程において女性たちが親とどのように関係を築いているのか、また彼女たちはどのような家族意識を持っているのかを明らかにしようとしています。
陳助教は、中国浙江省紹興市に住む40人の一人娘にインタビュ一を実施し、自由な生き方を重視しているのにもかかわらず、なぜ多くの女性が仕事、結婚、出産という標準的な人生モデルを選ぶのか、その理由を探りました。その結果、彼女たちの生き方には、家族との深い相互依存関係と強い絆があることがわかりました。
本書を通じて、中国の社会や家族のあり方を理解できるだけではなく、「個人のライフコ―スはどのように築かれるのか」「家族とはどのような存在なのか」「親子の関係性はどのように作られるのか」「中国社会と日本や欧米の社会の共通点と相達点はどこにあるのか」を考えるきっかけにもなります。中国社会やジェンダー、家族関係に興味関心のある方はもちろん、これから本学で社会学を学びたいと考えている受験生の方にもぜひ手に取っていただきたい一冊です。
※陳助教は2025年4月から流通経済大学共創社会学部に赴任し、地域人間科学科で、「ジェンダー論」、「地域社会学」、1,2年生演習などを担当しています。